SUPを楽しむためには、最低限必要な道具があります。ここでは、SUPの「必須アイテム4つ」について解説していきます!
この必須アイテム4つの中には、万が一の時に自分の命を助けてくれるアイテムもあります。アイテムを揃えることは、ルールやマナーを守ることと同様に大切なことです。
ぜひこの記事を読んで、ご活用ください♪
SUPの必須アイテム4つ
SUPを楽しむには、欠かせないアイテムがあります。言い換えれば、これがなければSUPを楽しむことはできません。
次の項目から、ひとつひとつ解説させていただきたいと思います。
SUPボードについて
SUPボードには大きく分けて、2種類あります。インフレータブルボードといって、空気で膨らませる折りたたみ式のボードとハードボートといってサーフボードと似たような構造をしているボードです。
以下、インフレータブルボードとハードボートの違いを解説させていただきます。
インフレータブルボード(空気で膨らませる折りたたみ式のボード)

▶︎ 特徴
・空気を入れて使用する
・折りたたむことができるので、持ち運びや保管がとても容易
▶︎ メリット
・収納時は、車や飛行機・電車など持ち運びがしやすい
・岩や障害物にぶつかっても壊れにくく、耐久性が高い
・浮力が高く、バランスを取りやすい(ボードのサイズごとに浮力は異なる)
▶︎ デメリット
・空気を入れる時間と手間がかかる(手動で空気を入れるのに約20分ほどかかる)
・ハードボードに比べてスピードが劣る(ハードボードより柔らかく、水の抵抗を受けやすい)
インフレータブルボードは、持ち運びやすさやバランスの取りやすさなどから、ファミリーやSUPヨガ、DOG SUPなど幅広い用途で使用されたり、多くの年齢層に人気が高いボードです。
空気を入れるのに時間と手間がかかりますが、電動ポンプを使用することで、時間と手間を省略することが可能です。
ハードボード(サーフボードと似たような構造をしているボード)

▶︎ 特徴
・グラスファイバー・カーボン・ウッドなどで作られており、硬い
・水上での摩擦が少なく、スムーズに進む
▶︎ メリット
・水の抵抗が少ないため、スピードが出やすい
・ターンがしやすい(SUPサーフィンなどで使われており、操作性に優れる)
・インフレータブルボードより耐久性が高い(適切に管理すれば長く使える)
▶︎ デメリット
・持ち運びが大変
・岩や障害物にぶつかると、傷や割れの原因になる(衝撃に弱い)
・バランスを取るのに難しい場合がある(サイズによって異なる)
ハードボードは、用途やサイズによっては初心者がバランスを取るのが難しいこともあるが、適切に保管すれば、インフレータブルボードよりも長く使える点では優れている。
インフレータブルボードからスタートして、慣れてきた人がハードボードを購入する流れが多いかと思います。用途によって長さが異なりますが、長いものだと14ft(4.2m以上)あるので、折りたたむことができないハードボードは、購入前に保管場所を確保しておく必要があります。
どちらを選ぶ?
SUPは、クルージング・SUPサーフィン・リバーSUP・SUPフィッシング・SUPヨガ・レースと用途が様々です。
初心者や手軽にSUPを楽しむなら、インフレータブルボード。スピードを求めたい人や本格的にSUPをしたい人は、ハードボードがおすすめです。
インフレータブルボードの中にもスピードが出やすい形状のものもあります。詳しくは、ショップのスタッフさんに聞くことをお勧めします。
パドルについて
パドルは、形状や素材などが細かく分かれていますが、大きく分けると2種類です。一つは、可変式(アジャスタブル)といって長さ調整が可能なもの。もう一つが、固定式(ワンピース)といって長さ調整ができないものです。
以下、パドルの違いを解説させていただきます。
可変式(アジャスタブル)のパドル

▶︎ 特徴
・長さの調節が可能
▶︎ メリット
・自分に合う長さがまだ分からない初心者に向いている
・家族で使うのに便利
▶︎ デメリット
・調整箇所があるため固定式(ワンピース)のパドルに比べて重たい
・長時間使う場合は、少しの重たさが体力に影響する
・水が入りやすい(海水で使用する場合は、錆びることもあるため特に整備が必要)
可変式(アジャスタブル)のパドルは、さまざまな体格の方に対応できるため、SUP体験やSUPツアーなどでも多く使用されています。また、半分に分解できるため持ち運びにも便利です。
固定式(ワンピース)のパドル
▶︎ 特徴
・軽量
・自分に合わせた長さでカットするため、長さを調整する必要がない
▶︎ メリット
・軽量であるため、上級者やレース向けで活躍する
・長時間使用しても、重さが体力に影響しづらい
・水が入らない
▶︎ デメリット
・使う人の長さに合わせるため、誰でも使える訳ではない
・一度長さを調整してしまうと、短くすることは可能だが、長くすることは不可能になる
・高価
固定式(ワンピース)のパドルは、軽くて水の抵抗が少ないため漕ぎやすいが、一度長さを調整してしまうと、短くできても長くすることはできなくなります。
そのため、ある程度SUPの経験があり、自分に合ったパドルの長さが分かっている、中級者・上級者向けだと言えます。
パドルの豆知識
パドルは、大きく分けて可変式(アジャスタブル)のパドルと固定式(ワンピース)のパドルの2種類ですが、他にも形状や素材もさまざまです。
ここでは、簡単にパドルの形状や素材などを紹介させていただきます。
パドルの素材
素材 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
アルミ | 初心者向け | パドルの中で一番安価 | 重たい |
グラスファイバー | 中級者向け | 適度にしなりがある | カーボンより重たい |
カーボン | 中・上級者向け | 軽くてパワー伝達が高い | 高価 |
上記の表は、あくまでも参考程度にどうぞ ♪
※ 他に、木製のパドルもあります。
可変式(アジャスタブル)のパドルにもカーボン製はあります。長く使用するのであれば、初心者でも可変式のカーボン素材からスタートするのも良いかと思います。
他にも、パドルはメーカーや素材で実際に持ってみた感覚が大きく異なります。まずは、ショップで色々と見てみることをお勧めします。
ブレード(先端)の形状
ここでは、簡単にブレードの形状について紹介させていただきます。
▶︎ 細めのブレード
・軽い力で焦げる
・力のない方、小さな子ども向き
・ツーリングなどの長距離向き
・初心者向き
▶︎ 広めのブレード
・水をしっかりキャッチできる(一漕ぎで大きく進む)
・ある程度、力のある人向き
・中上級者向け
パドルは、SUPの操作性や快適性を左右するアイテムです。色々なものを見てまわり、自分のスタイルや筋力・体格に合ったものを選ぶことをお勧めします。
リーシュコードについて
リーシュコードは、ボードと自分を繋ぐためのコードです。万が一落水してもボードが流されたり、自分が流されたりするのを防いでくれます。
また、流されたボードが他のボードと接触するのを防いでくれる役割もあります。周囲の安全を守るためにも、リーシュコードは必ず着用しておきましょう。
リーシュコードは、各メーカーから販売されており色やデザインも様々ですが、形状は大きく分けると「ストレートタイプ・コイルタイプ・ハイブリッドタイプ」の3種類です。
以下、リーシュコードのタイプと違いを解説させていただきます。
ストレートタイプのリーシュコード(Straight Leash)

▶︎ 特徴
・まっすぐな形状
・主にSUPサーフィンなどで使用されることが多い
▶︎ メリット
・伸縮しないので、波にのまれたり、落水した際にボードの動きが予測しやすく安心
・フィンなどに絡まりにくい
▶︎ デメリット
・長いので場合によっては、邪魔になることがある
ストレートタイプは、SUPサーフィンや波のある場所などで使用されることが多いリーシュコードです。
コイルタイプのリーシュコード(Coiled Leash)

▶︎ 特徴
・螺旋状に巻かれた形状
・クルージングやツーリングで使用されることが多い
▶︎ メリット
・コードが着水せず、推進力の邪魔にならない
・足に絡みにくい
▶︎ デメリット
・波のある場所で落水すると、ボードが予測できない動きをする場合がある
・間違った使い方をすると、ボードが跳ね返ってくる場合がある
コイルタイプは、クルージングやツーリングなど、波の少ない湖などで使われることが多いリーシュコードです。
ハイブリッドタイプのリーシュコード(Hybrid Leash)
ハイブリッドタイプは、ストレートタイプとコイルタイプの両方の特徴を持つリーシュコードです。
▶︎ 特徴
・ストレートタイプとコイルタイプの両方の特性を持つ
・色々なシーンで使用出来る
▶︎ メリット
・ストレートタイプの安定性とコイルタイプの絡みにくさがある
・色々なシーンで使える
▶︎ デメリット
・様々なシーンで使用出来るが、特化性はストレートタイプやコイルタイプより劣る
ハイブリッドタイプは、自分のSUPスタイルにガッチリ当てはまれば、最高の性能を発揮できるかと思います。
どれを選ぶ?
基本は
・ ストレートタイプ : SUPサーフィン(波がある海など)
・コイルタイプ : クルージング(穏やかな湖や海など)
・ハイブリッドタイプ : オールラウンド となりますが、
SUPは、クルージング・SUPサーフィン・リバーSUP・SUPフィッシング・SUPヨガ・レースと用途がさまざまで、「クルージングとSUPサーフィンの両方を楽しむ人」のように、気分や気候に合わせて、複数のスタイルを楽しむ人も多いです。
そのため、同じタイプのリーシュを使いたくなりますが、安全面を考えると、用途に合わせて好ましいリーシュを着用することが理想だと思います。
ライフジャケットについて
ライフジャケットは、命を守るために絶対必要な道具です。水上では、予期せぬ落水やトラブルがつきもの。レースにおいても、ライフジャケットの着用が義務付けられています。
SUPボードは、風に流されやすく、判断を誤ると戻れなくなることもあります。そのような場合でも、ライフジャケットを着用しているだけで安全性が高まります。
泳げる方でも、足が届かないような慣れない水場で落水すると、一時的にパニックに陥ることも多いため、ライフジャケットの着用が義務付けられていないエリアだったとしても、自己判断で必ず着用するようにしましょう。
以下、ライフジャケットのタイプと違いを解説させていただきます。
ベスト型ライフジャケット(浮力が高いタイプ)

▶︎ 特徴
・浮力があり、安全性が高い
・保温性がある
▶︎ メリット
・浮力があるので、勢いよく落水しても水に沈み込む深さが浅め
・複数のベルトで身体と密着させるので、外れることがほぼない
▶︎ デメリット
・慣れないと窮屈さを感じる
・暑い時期は熱中症などに注意(タイミングを見て適切な水分補給や着脱が必要)
浮力が高いタイプは、慣れていないと窮屈さを感じたりしますが、安全性が高く安心です。
ベスト型ライフジャケット(浮力が低いタイプ)

▶︎ 特徴
・浮力が高いタイプよりは安全性に劣る
・多少の保温性がある
▶︎ メリット
・動きの制限が少ない
・浮力が高いタイプより暑さに強い
・ハイドレーションや小物を入れれるタイプもある
▶︎ デメリット
・勢いよく落水すると、深く水に沈み込む
・ファスナーが破損すると、簡単に外れる

浮力が低いタイプは、動きの制限を受けませんが、勢いよく落水すると深く水に沈み込むため、慣れてきた方におすすめです。
膨張式ライフジャケット(インフレータブルタイプ)
▶︎ 特徴
・腰ベルトなどの形状で、落水時に手動または自動で膨らむ
▶︎ メリット
・動きやすい
・暑さに影響しない
▶︎ デメリット
・万が一、作動しなかった場合は浮力が確保できない
・カートリッジ交換が必要
膨張式は、レースに出場する方が装着していることが多いかと思います。動きやすくスタイリッシュで良いですが、デメリットを考慮した使い方が必要です。
上記の3種類の他に、ベスト型と膨張式を組み合わせたタイプやリバーSUPで使われるタイプなどがあります。
どれを選ぶ?
ライフジャケットに関しては、SUPの種類(ツーリング、リバーSUP、レースなど)で選択するタイプが異なります。
また、初心者・中上級者でもどれを選ぶかが異なるため、初心者の方は、安全性をしっかり確保できるタイプを選ぶことをお勧めします。
まとめ
SUPを安全に楽しむためには、ボード・パドル・リーシュコード・ライフジャケットは最低限必要な道具です。
それぞれの役割を理解し、適切に使い、安全で快適にSUPを楽しみましょう!
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